事例紹介
健康食品の製造販売事業者を同業の若手経営者が譲り受けた事例
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後継者人材バンク
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事業者概要
- [事業者名]
- すこやか本舗
- [所在地]
- 札幌市
- [業 種]
- 食品製造業
- [売上高]
- 約100万円
- [従業員]
- 0名
- [創 業]
- 1981年(昭和56年)
- [理 由]
- 経営者の高齢化、後継者不在
事業引継ぎの経緯
すこやか本舗は健康食品の製造・販売事業で、クエン酸顆粒の製造販売を中心にプロポリスやハチミツ、化粧水などの販売を手掛ける個人事業です。ご夫婦お二人で昭和56年に事業をスタートして以来、電話やFAXでの通信販売、催事や市内への配達などで順調に売り上げを伸ばしてきました。主力商品のクエン酸顆粒はドラッグストアなどで販売されている商品と比較して低価格で提供していたため、少なからぬお客様に愛用されてきました。しかし、ご主人77歳、奥様88歳とご高齢になって体調が思わしくなく、近年はお二人揃って入院してしまうようなこともあり、お客様の注文に対応できない時期が続いてしまったため、足元の月商は数万円程度まで落ち込んでいました。商品を必要としてくれているお客様がいることから、ご夫婦は第三者による事業の継続を模索し、2021年2月に北海道後継者人材バンクに登録されました。
一方、後継者となった船田さんは大手企業のエンジニアを経て30歳で独立起業し、ECサイトの運営とシステム開発を手掛ける企業を立ち上げました。2018年には後継者が不在であった製薬会社、日本ダルム(株)をM&Aで譲り受け、医薬品の製造販売、健康食品の製造販売にも進出しています。
当センターでは北海道後継者人材バンクを通じて2月末に募集を開始したところ、事業のイメージがわかりやすいこと、安定した顧客がついていること、さらに譲渡にあたっての希望条件も具体的に明示されていたことから数多くの問合わせが集まりました。その中でも、既に健康食品を手掛けている船田さんは、すこやか本舗との事業上の相乗効果も大きいことから、3月に初のトップ面談を実施してすぐに双方前向きに進めることに合意、4月には事業譲渡契約を締結して事業引継ぎが完了しました。
成約のポイント
- 企業間M&Aでは対象になりづらい小規模な事業者であったが、具体的な情報を開示したことで多くの個人登録者の関心を集めた
- 希望条件を最初に明示していたため条件の調整がスムーズに進み、短期間での成約につながった