事例紹介

コロナ禍の新規事業が株式贈与のきっかけに!~地域の商工会が繋いだ事業承継

  • 親族内承継

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  • ㈱新栄工建は新篠津村にある創業53年の歴史のある会社である。商工会会長である工藤社長(53才)は2代目社長であり、ゼネコン等で住宅建築部門に配属となり、サラリーマンを経験し、33才で家業を承継することを目的として入社する。
     父が経営していた会社は木材をメインとした資材販売業(旧社名:㈱新栄木材産業)であった。しかし、息子である工藤社長は建築士であり、施工技術を経験してきたことから、住宅施工を新規事業として行い、8年前の45才で代表取締役社長に就任し、社名も現在の社名に変更して住宅施工会社をメインとして経営することとなる。札幌圏域を商圏として、坪100万円規模の高級住宅の施工を専門として有名建築家と連携し、一般の住宅建築会社とは差別化した経営を行ってきた。

     R2年にコロナ禍となり、住宅建築市場も影響を受け、事業再構築補助金を活用して、SDGsの観点から古民家・古材を活用した新規事業を模索していた。新篠津村商工会 関経営指導員に相談したところ、決算書確認した際に株式を移動していない事実が判明した。
     そこで、事業承継・引継ぎ支援センターに相談し、状況の確認を行った。父は経営を退いていたが、株式の大半を保有しており、しかも、会社には妹が存在していたため、亡くなった際に株の相続問題で妹夫妻と揉め事になる可能性があった。また、今後の経営にとって、株式を工藤社長が100%所有することが経営面で安定することなどのアドバイスを行い、株式贈与の手続きを司法書士とともに進めることとなる。現在コロナ禍の影響で贈与税が比較的負担が少ない今、株式贈与することを勧め、妹ともに協議を行い、R3年12月に株式贈与契約書を締結して名実ともに事業承継を完了させ、新規事業に取り組んでいる。