事例紹介

父から息子夫婦へ、地元に愛されるイタリアンの味と想いをつなぐ

  • 親族内承継

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     モルトヴォーノは、札幌市白石区の本郷商店街で2001年から営む本格イタリアンレストランです。オーナーの鈴木政則さんは、飲食店社員として約20年のキャリアを積んだ後に独立。ご夫婦でアットホームな雰囲気の店づくりに取り組み、常連客も多く、地元に愛される店として親しまれてきました。

     承継を持ちかけたのは、息子の麻央さん夫婦でした。麻央さんは子どもの頃から厨房に立つ父親の姿に憧れ、別の飲食店で10年以上勤務した後、奥様とともに実家のレストランを継ぎたいとの思いを固めました。奥様も飲食店経験者であり、夫婦二人三脚で経営を担う意欲がありました。

     家族間での事業承継は、お金の話や経営実態を率直に伝えにくいという特有の難しさがあります。自ら苦労を重ねてきた政則さんにとって、同じ苦労を子どもに経験させることへの心配も本音としてありました。こうした状況のなかで、当センターに相談がありました。

     センターでは、第三者の公的機関として親子双方の話を丁寧に聞きながら、店の強みや課題を整理。先代から「変えないもの・変えていくもの」を明確にしたうえで、将来の展望や地域における役割も含めた新たな事業計画の策定を、政則さん・麻央さん夫妻と一緒に進めました。

     バトンタッチ後は、夫が厨房・妻がホールという先代と同じ役割分担のもと、店が受け継がれています。先代が磨き上げたメニューをブラッシュアップしながら、常連客から「お父さんの頃よりおいしくなった」と言われることが麻央さん夫婦の大きなモチベーションになっています。

     2025年5月に正式に代表が交代し、麻央さんが新たなオーナーに就任しました。政則さんはご夫婦で出身地の十勝に戻り、ご両親の面倒を見ながら、店の行く末をあたたかく見守っています。麻央さん夫婦は、地域に愛され続けてきた味と雰囲気を守りながら、モルトヴォーノの新たな歴史を刻んでいます。